2021年9月12日(日)
一昨晩2時間、昨晩5時間という睡眠不足を解消。昨日の写真のPhotoshop を終えて、松本さんが作ってくれたBow-wow Wandervogelのアルバムにアップする。書き残した9/10,9/11 2日分のブログを書く。これだけで夕暮れが迫ってきた。最近日が短くなってやりにくい。犬が待っているのでCrestに連れていく。マンハッタンは霞んでいる。昨日よりも湿気が多くて見通しが悪くなっている。
20年前のこの日、下記本社に報告した。
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9/12/01
西谷
世界貿易センター崩壊(1)-米国民の怒りと戦時態勢について
日本でも事件自体は既に報道されていますが、報道しきれていない面について補足いたします。
偶々、昨日事故現場近くより避難してきた御家族とお会いしましたが、九死に一生を得た御経験をされたようです。現場での警察官、消防などの救助活動についてはまことに献身的に手際よくなされたと賞賛しておられました。避難対象者を一旦コミュニティーセンターに集め、歩けるもの橋を渡ってロングアイランド側に避難させ、また、女性と子供を優先的に船にのせて安全なニュージャーシー側とかミッドタウンに向け避難させ、何艘もの舟艇を瞬時に集め、手際よく避難させたのはデザスタープランがしっかりしており、また実行についての訓練がよく行き届いていたものと考えます。
さて、米国のプライオリティーは、1)犠牲者の救済 2)次の攻撃に対する防御 3)犯人グループの特定の為の捜査活動 4)反撃、報復 であります。御存知のように、アメリカ人は誇りを傷つけられると日常生活では考えられないような意思統一と異常な力を発揮します。今回の事故について、珍しく全国民が一様に米国に対し戦争をしかけられた、これは許せない怒りをあらわにしており、大統領自ら“We will find them, we will punish them.”との宣言を行っています。 大統領の専用機には戦闘機の護衛がつき、NYCの上空には戦闘機が哨戒しており、NY港には戦闘機を満載した空母が二隻待機しています。即ち第一級戦時態勢で軍隊を展開しています。いま、何が標的になるのか、どの都市が標的になるのか分からない状態です。シカゴか、ロスか、サン・フランシスコなのかも知れません。まして、NYでの破壊活動が終了していないのかも知れません。ですから、次の攻撃防御にはぴりぴりしています。
この為、特に航空機による交通が制約を受けざるを得ません。本日現在、全米の空港を閉鎖されたままであり、本日のミネタ運輸長官の記者会見によれば、乗客、航空機のみならず空港施設についても徹底的にセキュリティーチェックをしたあとでないと飛行機は飛ばさないといっております。昨日日本からシカゴにむけて飛び立った便での某社の出張者によれば、FAA(航空管理局)の指示でバンクーバーに行先変更され、その後厳しいチェックをうけたあと、強制的にシアトルに移されたが、手荷物は返してくれないので困っているとの事であり、これほど厳しい検査は前例がなく、それほど当局も徹底して真剣に取り組んでいると言えます。
犯行グループはまだ特定すら出来ておらず、犯行グループは野に放たれたままであり、新たなハイジャックとか爆破の可能性は依然として高いという問題は解決されておらす、それだけに犯人グループに対する憎しみはアメリカ人に共通しており、今後、事故現場より遺体が収容され事故の概要がみえてくるにつれ、憎しみがたかまってくるものと考えます。この憎しみは容易に消えそうになく、犯行グループが特定され次第大掛かりな反撃、報復をしないと国民感情が許さない状況にあります。犯人グループは確定していないものの、ビン・ラデン(アラブ人でアフガニスタン(=アジア)に潜伏といわれる)が強く疑われています。アメリカ人のなかには白人以外はなに人なのか区別がつかない人、つけない人も居ますので、我々もアジア人という事で憎しみの対象にされる危険性があることを知っておく必要があるものと考えます。 特に今回は、卑怯な攻撃として、真珠湾攻撃と対比して議論されており、日本人としては決して気持ちのよい議論ではありません。
NY近郊では、人の集まる可能性のあるショッピングモールなどは閉鎖しているところも多く、NY市内ではブロードウェイの劇場はすべて中止されております。昨夜はコミュニティー毎にいろいろな形で祈りの集会が持たれたようです。国旗は半旗で掲揚されています。大リーグの試合も中止、セントルイスのゴルフ世界チャンピオンもキャンセルされ、ディズニーワールドも閉鎖と聞いています。事故現場では本日もまだ煙があがっており、更なるビルの倒壊が心配されています。NY近郊ではハイウエーは緊急車両のみに制限され、一般車は通れません。NYCへのアクセスは昨火曜日は全面的に通行止め、本日も原則的には変わらず、わずかに汽車でNYに入れるだけで、バスの便はなく、道路、橋、トンネルは閉鎖されたままであります。捜査活動も推進されており、捜査のためAmtrack(鉄道)便が
途中のプロビデンス(RI)で止められたとか、昨夜も爆発物を満載したバンがリンカーントンネルの近所でつかまったとか、船舶の航行とセキュリティーチェックが厳しくなったとも報道されており、社会生活がいろいろ制限されるなはやむを得ないと受け止められております。一方、献血とかボランティア活動が積極的に申し出でられています。テロに対しては絶対に屈しないとの思いがあらわになっており、CNNの調査によれば、86%がこれは戦争であると認め、84%が軍事行動を支持しております。現状御理解の一助になれば幸甚です。
以上
Today’s MUsic Chopin Etudes Op.10 No.1 by Hayato Sumino
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